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プロということ。

「僕は財団職員と思ったことは一度もないんですよ。
警察に捕まっても舞台照明家と答えます。
そういえるだけの誇りを持って仕事をしてきました」
指定管理者の話にそう言われた、いわしなさんの言葉にはっとした。
たしかにプロパーと言ってもいわしなさんの場合は特殊かもしれない。
でも私はいわしなさんのようにあるべきなんだ。
私は公務員になったんぢゃない。

「私はプロパーでも市の職員でもなくて、制作から入ったんです。」
と他の館の人に話したら
「これからはそういう人が必要なんだよね。
うちはワークショップとか弱いからうち来てやってよ」
って言われた。びっくりした。
でもそういうこと。

さい芸さんの技術スタッフさんがプロパーっていうのにびっくりするのも
きっとそういうこと。
いわしなさんの髪型はアルフィーの高見沢さん。
お堅い世界でそれを通し続けるって、きっと勇気のいることだろう。
それでも通し続けてるのは、あくまで自分は照明家という
いわしなさんの表明なんだろうって思った。
てぃらがパパを含め、さい芸のスタッフさんを
「ホールの人」「プロパー」と見られなかったのは
それぞれがそれぞれの「プロ」として、そこにいたからなのだ。
この研修をなぜさい芸でやるのか、そしてさい芸でなくては出来ないのか
本当の意味がわかった気がする。

そう、私は制作者になりたいのだ。
制作のプロになりたいのだ。
舞台のプロになりたいのだ。

私になかったのはプロ意識なのかもしれない。
お金をもらえるようになって勘違いをしていたのかもしれない。
いわしなさんをはじめ、さい芸のスタッフさんはプロとして採用されたけど、
私はこれからプロになるのだ。
プロになる修行のために、財団という場所に入ったんだ。
今までの人とパターンが逆だっただけ。
ちょっとタイミングが早かっただけ。
私はここでプロになっていくのだ。

あぁ、なんてばかなんだろう。
やっといろんなことがつながった。
ほんとに私は遅いんだよな。
ほんとの意味でプロということがわかった気がする。
いや、まだわかってないのかもしれなけれど
プロという言葉があってるのかわからないけれど
「こうありたい」という人たちがいた。

さい芸のスタッフさんと仕事が出来るようになりたいと思った。
認めてもらえるようになりたいと思った。

てぃらがパパみたいになりたいと思った。
舞監から企画から脚本から演出からなんでも出来る、舞台のプロ。
なんでも出来るようになりたい。
舞台のプロになりたい。

「謙虚でい続けてください。
信頼関係を一番大事にしてます。」
そう言った、舞監の山田さん。
ほんとにそうだと思う。
そして私に足りないもの。
信頼を築くこと。
謙虚でい続けること。
そういう人間でありたい。

舞台技術のワークショップだったけれど
それだけではなく、本当に大切なものをもらった研修だった。

by punyo_chihi | 2005-08-20 01:15 | ひとりごと。  

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